たかさき美味めぐり Vol.18　らーめん きんとうん

ホテル仕込みの赤と白

　店内はカジュアルだけれど、張り詰めた空気を感じる。これは美味しいお店の証し。

　きんとうんは高崎ビューホテルの中華料理店で14年間腕を磨いた星野優太さんのラーメン店だ。なるととメンマ以外はすべて手作りする。だから「これ以上、メニューを広げられないんですよ」と苦笑い。

　一番人気の「きんとうん麺 辛」をいただいた。丸鶏から５時間かけてとるスープには、真っ赤な自家製ラー油とゴマがたっぷり。トッピングの濃厚な肉味噌も魅力的だ。

　「豚のブロックから切り分けた肉を角煮にし、再び、細切れにして、甜面醤で煮込んでいます」と星野さん。

　麺は細目のストレートを硬めに茹でる。「信頼おける製麺所から、博多ラーメンで使うような細麺を納めてもらっています」

　食べ進めると丼の下から細切りのザーサイが現れる。なんて楽しくて、味わい深い担々麺なんだろう。

　白く澄んだスープのラーメンも食べてみたくて、「ネギ鶏そば 塩」を注文した。ひと口、レンゲですくって飲む。鶏の旨味が溶けだした優しいスープだ。トッピングの刻みネギに、細かく割いた蒸し鶏がまぶしてあるのも、ひと手間かかっている感じ。胃が痛いときも、ネギ鶏そばならするりと食べられそうだ。

　この２種以外に、酸辣湯麺とチャーシュー麺がある。全部制覇したくなる美味しさだった。