寿司ネタオールスターズ、堂々十二貫
濃厚塩タンメンが人気の異色寿司屋として、テレビに何度も登場した。ところが2代目店主の塩沢虚蔵さんが「一番原価と手間がかかって、儲からない」というのは、お昼のサービス品「上寿司十二貫」3000円だ。それをいただく。
運ばれてきた大皿には、寿司のオールスターズと呼びたくなるネタがずらり。豪華さに圧倒される。椀は寿司に使った赤海老の頭でだしを取った味噌汁だ。
「焼き立てで温かい穴子からがいいよ」と塩沢さん。一番手前にあるのは、そういう意味だったのか。ひと口で頬張ると、ふっくらした身、きりっとしたツメ、凛としたシャリが一つになる。これはうますぎる。
続いて本マグロの中トロへ。驚くほどの厚切りで、脂は上品。そのまま赤身へ進み、毎朝焼くという玉子で口を変える。サクラエビ入りで、ふわりと磯の香りが立つ。脂ののったサーモンを挟み、旬のウニへ。旨味が凝縮され、口の中でほどけていく。高値が続き、セットの寿司では見かける機会が減ったウニに、ここで出合えたのは感激だ。
イクラ、数の子と高級ネタを楽しみ、最後はお頭付きの大海老。下に海苔が敷かれ、締めにふさわしい迫力。
塩沢さんは大阪で10年修業、28歳で実家を継いだ。いまや看板の濃厚塩タンメンは、バブル崩壊後、寿司店が次々と苦境に立たされた時代に、店を守るために生み出したメニューだったという。
それでも「本当に食べてほしいのは寿司」。上寿司十二貫からは、「仕事は楽しく、もうけは二の次」、塩沢さんの思いが、皿の上から伝わってくる。


大恵鮨
住所/高崎市倉賀野町407
電話/027・346・3326
営業/11時半~14時(L・O)
17時半~19時半(L・O)
休日/水曜

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