目次
千円で釣りがくる「特盛」
本当は紹介したくなかった。こんなにうまくて、こんなに手頃な寿司屋があることを。群馬高専の向かいにある「寿し真」のランチ寿司は、並盛770円、大盛880円、特盛990円。違いはネタではなく握りの貫数である。
「9割のお客さんが特盛を注文するよ」と店主の森永光徳さん。ネタは日替わりでこの日の特盛は、ばちまぐろの赤身2貫に、イナダ、ヒラメ、ホタテのヒモ、卵、イカ、サーモン、クロダイ、タコの10貫。そこに定番のかっぱ巻きが1本付く。目を引くのは、惜しげもなく切られたネタの大きさだ。赤身は旨味が強く、ホタテは生きた貝から剥いたもの。ひと貫ごとに表情が違い、無言でどんどん食べ進んでしまう。
丁寧な仕事に加え、うまさを支えるのは仕入れだ。「信頼している高崎市場の魚問屋が、毎朝豊洲から仕入れてきてくれるんだ」と森永さん。
しゃりもいい。付き合いの長い米屋が届けるコシヒカリをやや硬めに炊き、高品質な寿司酢と合わせる。口に入れるとほどけるのに、米の輪郭はきちんと残る。
森永さんはトラック運転手や基礎工事の仕事を経て、29歳で寿司職人の道に入った。新宿の「栄寿司」で修業し、1994年に妻の故郷である群馬で店を開いた。
「たくさん食べる姿を見るのが好き」という言葉通り、気前のよさは丼にも表れている。ランチの丼は990円で、110円足すとネタもご飯も大盛りになる。まぐろとサーモン丼を頼んだところ、寿司桶に山のように盛られたご飯の上に、赤身とサーモンだけでなく、すき身やタコまでのっていた。「あるものをどんどんのせちゃうんだよね」と笑う。その心意気までうれしい店だ。


寿し真(すしまさ)
住所/高崎市中尾町273の8
電話/027・388・0686
営業/11時~13時30分
17時~22時
休日/月曜

コメント