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観音山丘陵の古墳を巡る タウトゆかりの少林山台B号墳

前回に続いて、少林山達磨寺の境内に今も残る古墳を紹介したい。本堂からやや離れた東の隅に、こぢんまりとした木造平屋の建物がひっそりとたたずんでいる。風情あるこの建物は大正時代に建てられた別荘で、世界的なドイツ人建築家ブルーノ・タウトが2年3ヶ月もの期間を過ごした場所として知られる「洗心亭」である。
洗心亭の西側付近は丘のように小高く隆起している。この高まりは、前回紹介した2号墳と同様に達磨寺境内とその周辺に分布している少林山台古墳群のうちの1基で、少林山台B号墳と呼ばれている。B号墳の大きさは径約15メートル、高さ約3メートルの円墳と考えられている。出土品等は分かっていない。
B号墳の東側に白い説明板が立っているが、これは群馬県の史跡に指定された洗心亭の解説のみで、古墳に関する記載は特にない。この説明板を起点に、B号墳の周囲を反時計回りに巡ってみた。おそらくは洗心亭の建築の際だろうか、東側の墳丘がやや削り取られているものの全体的な残り具合は悪くなさそうだ。北西側から墳丘を見ると地形の斜面を生かした造りによって高さが強調され、古墳らしさが感じられる。さらに回り込むと南西に向かって石室が開口している。全長約5・6メートル、奥幅約1・65メートルの両袖型の横穴式石室で、内部には薬師如来像が安置されている。B号墳が薬師塚とも呼ばれるゆえんだ。
洗心亭で過ごしていたタウトも、きっと古墳のある風景を眺めて親しんでいたに違いない。広い境内を散策すれば、ほかにも残存する古墳が点在しているから探してみるのもいいだろう。
◎所在地
高崎市鼻高町296 少林山達磨寺境内
◎取材協力
高崎市教育委員会
事務局 文化財保護課