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湾曲する細道が面影を語る 倉賀野長賀寺山古墳

今回紹介する倉賀野長賀寺山古墳は、あまり知られていないであろう穴場スポット。なぜなら見過ごしてしまうほど、ほんのわずかな面影しか確認できないからだ。所在地も正直分かりづらい。とは言え、浅間山古墳、大鶴巻古墳、小鶴巻古墳といった前方後円墳を有する倉賀野古墳群からもそう遠く離れてはいない。
国道17号の倉賀野町交差点を南に曲がり、県道133号線を直進すると踏切が見えてくる。踏切を渡ったその先に交差する道路を左折して、そのまま細い路地を道なりに進むと、耕作地の奥にアパートと駐車場が現れる。その先は道が細くてもう車は通れない。「えっ、ここが?」と、訪れた誰もが感じるに違いない。この周辺は集合住宅の建設に伴い、2014年に発掘調査が行われた。その際に円筒埴輪や須恵器が出土していることなどから、古墳時代後期の築造と考えられている。
倉賀野長賀寺山古墳は後円部径42メートルの前方後円墳。あるいは帆立貝式古墳という説もある。前方部は削平されており、後円部の一部が残るのみ。北側から駐車場の塀越しに墳丘らしき高まりがわずかに見えるが、どういうわけか緑色のシートに覆われている。先ほど通ってきた路地のその先を眺めると、まるで墳丘のくびれに沿うかのように道が湾曲しており、ある意味最も古墳の面影を感じることができる。
かつてこの古墳の墳丘を利用して掘りを巡らせた倉賀野東城が築かれた。その後、明治時代まで長賀寺と呼ばれる寺院もあった。そして現在は宅地開発され、墳丘はわずかに残るのみ。利用されては壊され、数奇な運命をたどりつつ、今もなおひそかに息づいている古墳だ。
◎所在地
高崎市倉賀野町橋東 1951の2
◎取材協力・写真提供
高崎市教育委員会
事務局 文化財保護課