ウォーキングにぴったりな季節がやってきた。健康のために始めようと思っても、足や膝に負担がかかって続かなくなる人は少なくない。大切なのは、いきなり無理をしないこと、足に合う靴を選ぶこと、そして正しく歩くこと。高崎市の「楽歩堂」でスタッフとして接客にあたる藤井貴紀さんに、初心者が気をつけたい点や、歩くことの効果、無理なく続けるための方法を聞いた。
初心者ほど足元を入念に
ウォーキングは手軽に始められる運動だ。特別な道具もいらず、思い立ったその日から始められる一方で、準備をおろそかにしてしまう人も多いという。健康に良いからと急に長い時間を歩き、足首や膝、腰に疲れをため込み、そのままやめてしまう。そんなケースは珍しくない。
藤井さんは「初心者ほど、まず足元を整えることが大切」と話す。ワゴンセールの靴や、値段だけで選んだ靴で始める人もいるが、筋力が十分でない人ほど、足をしっかり支える靴が必要になるという。選ぶ際は、かかとと甲回りがきちんと固定され、指先には適度なゆとりがあることが大切。見た目や評判だけで決めるのではなく、自分の足に合っているかどうかを基準にしたい。
「ネットで評判の良い靴を買ったのに、実際には合わなかったという人も少なくありません。靴は人気や流行でなく、その人の足に合っているかが何より大事です」
楽歩堂では、3D足型計機を使って誤差1㎜以内の正確な立体足型を計測し、さらに足裏にかかる圧力の分布や重心移動の軌跡も確認する。さらに必要に応じてインソールも提案し、一人ひとりの足に合わせて足元から体を整えていく。靴を売るだけではなく、歩きやすく、疲れにくい状態をつくることを大切にしているのが同店の特徴だ。



正しく歩けば体は変わる
問題は靴だけではない。歩き方にも大きな差が出る。よく見られるのが、ひざ下だけで小刻みに進む小股歩きだ。「足先だけを忙しく動かしても、体幹やお尻が使えていないため、せっかく歩いても運動効果が十分に得られません」と藤井さん。
正しい歩き方の基本は、足の付け根、つまり股関節まわりから脚を出すこと。背筋を伸ばし、やや広めの歩幅を意識し、腕も自然に振る。そうすると上半身と下半身が連動し、歩きそのものが安定してくる。ふくらはぎだけに頼る歩き方ではなく、お尻や太ももの裏まで使えるようになるため、姿勢も整いやすい。
歩くことは、特別なスポーツでなくても、毎日の健康づくりにつながる。体力の維持はもちろん、気分転換やストレス解消にも役立つ。無理なく続けることで、健康寿命を延ばす土台にもなる。
続ける工夫が習慣になる
では、どのくらい歩けばよいのか。藤井さんは「まずは20分から30分くらいを目安に、無理なく続けることが大切」と話す。最初から頑張りすぎず、日々の暮らしの中で歩く時間を少しずつ増やしていくことが長続きのコツだ。まとまった時間が取りにくい人は、短い時間を積み重ねてもよい。
そして、ウォーキングを続ける方法のひとつとして、日常の中に“歩く役割”を持つことも有効だ。たとえば、地域に情報を届ける配布の仕事は、無理なく歩く習慣を身につけるきっかけになる。自分のペースで体を動かしながら、地域の役にも立てる。健康のために何か始めたい人にとって、こうした仕事は新しい一歩になるかもしれない。
「歩くことは最良の薬といわれますが、本当にその通りだと思います。大事なのは、自分の足に合った靴で、身体と対話しながら無理なく続けること。歩くことが習慣になれば、体は少しずつ変わっていきます」

■取材協力
楽歩堂高崎本店
℡027・364・6414
