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浜川のそばと総菜の力
高崎の市街地でソバを育てているとは知らなかった。浜川地区には10町歩の畑があり、そこで採れた実を使う。皮付きのまま仕入れ、北高崎駅近くのそば粉店「金八」で石臼挽きにしてもらう。粉は七三から八二で打つ。細めのそばはぬめりがあり、のどをすっと通る。
50年以上前、「甘楽」の名で開店した。36年前、二代目の宮澤尚志さんが義父の手伝いとして入り、手打ちそばの店に変えた。「地域の人に支えられてやっています」と宮澤さん。
注文したのは「かさね」の中もりを相もりで。そばとうどんが重箱にたっぷり盛られている。つやのあるうどんはもちもち。そばは香りが穏やかで、するすると入る。量もしっかりあり、700円という値段がうれしい。
入口には「無料総菜バイキング」と書かれたコーナーがある。この日は、野菜たっぷりのマカロニサラダ、こんにゃくとちくわの煮物、ウドのゴマよごし。どれも康子さんが作る日替わり総菜だ。野菜は宮澤さんの実家で育てたものを使う。畑の恵みを生かした家庭の味に、つい箸が伸びる。
一番人気は、ざるそばに天ぷらとご飯が付く「そば定食(冷)」。連れが「食べきれないご飯を持ち帰りたい」と伝えると、康子さんが海苔を巻いたおにぎりにしてくれた。そばの力、総菜の力、人の温かさ。長く愛される理由が、昼の膳に詰まっていた。



平尚庵
住所/高崎市上並榎町293の2
電話/027・361・0656
営業/平日・祝日 11時~14時半
土曜・日曜 11時~20時
休日/火曜、第3水曜

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