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井野川左岸の下滝古墳群を巡る 慈眼寺1号墳・2号墳・3号墳

前回紹介した下滝町の前山古墳は、慈眼寺の参道の東端に位置し、駐車場と道路に挟まれて大きく削平されていたが、今も現存する価値ある前方後円墳だった。
慈眼寺は1250年の歴史を持つ、高野山真言宗の寺院。南北に広がる敷地には、名所として知られる境内のしだれ桜をはじめ、自然豊かな庭に四季折々の花が咲き誇り、花見を楽しみに多くの参拝者が訪れる。実は、この慈眼寺の敷地内には前山古墳のほかに3基の円墳が存在する。
参道を歩き、大門をくぐり抜けるとその先に本堂が現れる。本堂の横から裏手に進んでいくと、左奥の北西側になだらかな丘陵が確認できる。これが慈眼寺1号墳だ。直径約20メートル、高さ約4メートルの円墳で、3基の中では一番大きな古墳だ。墳頂部がくぼんでいて陥没しているように見える。
続いては境内の墓地の近く、1号墳と本堂の中間に大師堂が建っている。石塔が左右に並び、その間に石段が数段あり、小さな高まりの上にお堂が鎮座している。この高まりこそが慈眼寺2号墳である。またの名を大師堂古墳とも呼ばれている。直径約10メートル、高さ約1・5メートルの円墳だ。石段の周囲にゴロゴロと散乱している石の存在が気になった。
残る慈眼寺3号墳は、大師堂の東側で本堂の真裏付近に存在する。直径約20メートル、高さ約3メートルの円墳で、墳頂付近が大きくへこんでいる。緩やかな墳丘の裾野のあたりには弁天堂が建っていた。
3基の円墳に関して主体部や出土品などの詳細はいずれも不明だが、慈眼寺の周辺にはかつて数十基の古墳があったと言われており、この地域の古墳を総称して下滝古墳群と呼んでいる。
◎所在地
高崎市下滝町境内17の1
◎取材協力
高崎市教育委員会
事務局 文化財保護課