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化学者が作る冷し煮干しそば「けのひ」
冷たい麺が食べたいと猛暑の中、訪れたのが田町通りにある「けのひ」。目当ては6月から9月限定の「冷し淡麗煮干しそば」だ。煮干しベースのラーメンとつけ麺がとびきり美味しいこちらのお店。冷やし…も期待大だ。
麺はストレートか、ちぢれ玉子麺のどちらかを選べる。鮮やかな黄色のちぢれは北海道の「森住製麺」の看板商品。ということでこれに決まり。
運ばれてきた瞬間、煮干しの芳ばしい香り。暑さで萎えていた食欲が蘇った。「ミキサーで砕いた煮干しを植物油と合わせて湯煎し、浮かべています。油は比重が軽いからずっと上に残る。最初に煮干しの香りがするのはそのためです」と知的な解説をしてくれる店主の佐藤信雄さん。
高崎高校から慶應大学に進み、業務用洗剤会社で研究、企画に携わっていた化学者。洗剤供給装置の特許も取得したこともあるそう。そんな佐藤さんが定年退職後に選んだ道がラーメンだった。鳥取の優良な煮干しを軸に、さまざまなメニューを企画開発している。
麺をすする。驚くほどコシがある。鶏と豚のチャーシューは低温調理してあるので、冷たい汁の中でも硬くならずにしっとり柔らか。3種の煮干しを水出ししてから煮出したスープは雑味や苦みがなくて優しく爽やか。よくある甘酸っぱいツユの冷し中華とは別物だ。
途中で、卓上の「いか酢」を投入。まろやかな酸味が加わり、最後の一滴までスープを飲みほした。
佐藤さんはいま、煮干しを使ったつけ麺用のとろみスープで特許を申請中という。さすが化学者だ。次回はそちらをいただきたい。
けのひ
住所/高崎市末広町4-8
電話/027・335・6806
営業/昼11時30分~15時(L.O14時30分)
夜17時30分~21時(L.O20時30分)
休日/月曜※祝日の場合翌日駐車場有り