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サラサラ雪に榛名の果実「花暦氷本舗」

器の上にボールのようにまん丸なかき氷。上にみずみずしいメロンの果肉がのっている。
氷をひと匙すくって口に入れると、ふわっと溶けた。なになに、この食感。続いてまろやかなメロンの果汁と優しい練乳が口の中に広がる。なんて美味しい氷菓なんだろう。
本業は創業40年の花屋さん。「夏は花が売れない。何とかしなくては」。店主の外所亨さん、弘子さん夫妻が考えたのは、子どもたちの大好きなかき氷を販売すること。当初はカラーシロップを使っていたが、弘子さんが果汁を使った本格シロップの勉強を始め、いまの行列のできるかき氷店が生まれた。
榛名山麓という土地柄、近隣には果物農家がたくさんある。夏はメロンやモモ、プラム、ネクタリン、ウメ、ユズ、秋はカボチャ、リンゴ、クリ、冬はラズベリー。とれ立ての果物を一年通して、かき氷にする。
ふんわりと空気を含んだ氷は、「削る直前に温度をマイナス2度まで上げ、溶ける寸前を鋭い歯でサッと削るのがコツです」と亨さん。
もう一つ、特筆すべきは練乳だろう。こちらも手づくり。豆乳をベースに、どろどろではなく、サラサラとした粘度に仕上げている。氷への浸透が良く、すみずみまで練乳の旨味が染みわたっている。
「毎日通ってくれる方もいるし、2個ペロリと食べてくださる方もいる。美味しいという笑顔が励みです」と弘子さん。確かにこんなに大きなかき氷なのに、あっさりしていて軽く平らげてしまった。また、無性に食べたくなるに違いない。

花暦氷本舗
住所/高崎市剣崎町1207-9
電話/027・343・1269
営業/10時~18時(L.O 17時30分)日曜は~17時(L.O 16時30分)
休日/木曜休