【令和の挑戦 Vol.5】 医療法人社団美心会 黒沢病院 黒澤 功さん

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保健・医療・福祉・介護の各サービスを連携し、健康で安心な暮らしを支援する「医療法人社団美心会 黒沢病院」。
コロナ禍での対応や今後の課題について、理事長の黒澤功さんに話を聞いた。

目次

質の高い技術とサービスを提供
必須条件は職員の健康

医療法人社団美心会 黒沢病院
理事長 黒澤 功さん

いち早く発熱外来やコロナ病棟を設置

2020年冬、新型コロナウィルスが日本に上陸。黒沢病院はいち早くコロナ患者を受け入れたそうですね。
黒澤 発熱があると、「うちは診ない」という医療機関が多かったなか、当院はいち早く駐車場にプレハブの発熱外来をつくり、1日50人、多いときは100人の診察をしていました。電話が殺到し、事務スタッフ総出で受けても間に合わない状態でした
 2020年9月までに、高崎市内で100人ぐらいのコロナ患者が見つかりましたが、そのうちの半数を当院で発見しました。


その後、コロナ病棟を設置されました。
黒澤 民間病院でもコロナ病棟を作ってほしいと、県からの依頼を受け、当初は10床設けたのですが、「足りない」ということで、16床まで増やしました。県内の民間病院では太田市にある太田記念病院の17床に次いで、2番目の病床数でした。
 救急車も、他の医療機関では断わられた救急車まで受け入れています。2021年は約3700台。県内の病院では6番目に多い数字です。


職員の方々の苦労は相当だったのでは。
黒澤 コロナ禍で、職員の仕事量はこれまでの1・2~1・5倍に増えました。でも、市民の皆さんが困ったときに助けないでどうするという思いで、全員が一致団結してくれました。いまコロナは終息したように見えますが、またリバウンドが来ます。良い治療薬が出来ない限り、おそらく長い年月の付き合いになるだろうと思っています。
 そんななか、インフルエンザが流行し始めています。昨年、一昨年は罹患者がほぼいなかったため、抗体がなく、今年は大流行するのではないかと考えられます。医療人として、地域医療に貢献していくために、苦労が続きますが、職員一同、高崎市、群馬県のためにがんばっていきます。

地域包括ケアシステムを完成
健康で安心な生活をバックアップ


今後、新しい施設やシステムをつくる予定は?
黒澤 救急車を数多く受け入れ、病院で急性期の治療をし、落ち着いたら地域包括病棟に移っていただく。その後、自宅に帰れない人は「老健くろさわ」で過ごしていただき、状態が安定したら、関連施設である「特別養護老人ホームさとの花」や神流町の「特別養護老人ホームやまの花」を利用していただく
 そういった地域包括ケアシステムは出来上がりました。
 これからは人口減少時代。何かを作って増やすという時代ではありません。量よりも質を高めること、それが今の課題です。


「ベンリーくろさわ」はユニークな試みですね。
黒澤 施設ではなく、少しでも長く自宅で過ごしたいという方のための、生活支援サービス業です。
 電球の取り替えや、荷物の上げ下ろしまでお手伝いします。看板に「くろさわ」と大きく書いているのは、当院のグループ会社が経営しているなら安心だと思ってもらうため。生活支援サービス業は家の中にどんどん入り込んでいく仕事ですから。
 経営はなかなか難しいですが、奉仕の精神から続けております。しかし、自宅生活をお手伝いするシステムを加えた形こそ、地域包括ケアの本当の完成版だと思っています。


量より質、というお話が出ましたが、そのためにどんなことをなさっているのでしょう。
黒澤 技術やサービスの質を高めるために最も重要なのは職員の健康です。健康管理室を設け、職員の健康を守る制度「ホワイト500」を取得するなど、積極的に取り組んでいます。
 職員の健康診断も徹底的に行い、少しでも異常があれば100%、二次検査をします。必要な人には当法人が運営するメディカルフィットネス&スパ「ヴァレオプロ」を利用してもらい、本当の健康体になってもらう。職員こそが、大切な財産だと思っています。

医療法人 社団美心会 黒沢病院
高崎市矢中町187
【電話】外来 027-352-1111 電話受付 9:00〜18:00
【定休日】日曜日・祝日 年末年始(12/31~1/3) 6月第2土曜日

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