地球屋(榛東村上野原)の店内に常設展示されている、巨大なつるし飾り。飾りの総数13556個、全長7.5m、重さ280㎏で2014年、ギネス世界記録に認定された。飾りの素材は、江戸時代~昭和期に人々の装いを彩った着物の生地。環境を意識し、化学繊維はほぼ不使用と文化的価値も高い。さらに、復興への希望と絆というテーマも秘める。店内では販売やオーダーメイド、体験講座なども開催。新年の始まりにふさわしい、幸福を呼ぶつるし飾りの魅力を紹介する。
幸せの願い渦巻くパワースポット
店内に足を踏み入れた瞬間、目の前に広がる光景に誰もが息を飲む。天井から降り注ぐように飾られているのは、ギネス世界記録に認定された世界一のつるし飾りだ。紅白のツルが外側を彩り、内側は色とりどりの金魚、俵、カメといった縁起物がまるで万華鏡のように煌めく。
この飾りが生まれた背景には、感動の物語がある。もともと服や古布・和雑貨を扱う店としてつるし飾りを展示・販売していた同店。転機となったのは2011年の東日本大震災だった。福島から本県へ避難してきた人々の心に少しでも安らぎをと、鈴村瑞宙社長をはじめとする講師陣8人が避難所を訪ね、つるし飾り作り教室を開催。住む場所を失い、不安な日々を過ごす避難者たち約30人が、最初は戸惑いながらも針を持った。やがて近隣の小学校3校の2年生も震災を忘れないため、そして復興への祈りを込めて、つるし飾りを作り始めた。作り手によって表情の異なる飾りが増えていった。
つるし飾りの中心部分は、専門家によると強力なパワースポットだという。希望と祈りに満ちたこの場所は、福に満ちた年を迎えるにふさわしい。


タイプさまざま幸せ招く伝統の飾り
つるし飾りは元々、女児の健やかな成長や幸せを願って桃の節句に飾られていた。母や祖母たちが自らの着物を裂いて縁起物を作り「たくさんの幸せが降り注ぐように」と願いを込めて飾ったのが始まりとされる。
同店では、つるし飾りの販売(1900円~)、オーダーメイド(5000円~)を受け付けているほか、自宅で気軽に楽しめるキットも販売している。また、店内では体験講座も開催中。5つほどのパーツを選び、1本つるしの飾りが30分ほどで仕上げられるため、初心者にも好評だ。本格的に学びたい人には、週1度の教室もあり、随時入会を受け付けている。
福が重なることで、今では桃の節句だけでなく新年や長寿の祝いにも喜ばれるつるし飾り。今年は、お気に入りのつるし飾りで、幸せを呼び込む一年にしよう。

恒例の鬼の豆まき 1月31日(土)~2月2日(月)
赤鬼が梁に登り、お客さまへお菓子をまく。一日に数回実施。買い物がてら「福のおすそ分け」をもらいに出かけよう。
地球屋
◆電話:0279-20-5536
◆住所:北群馬郡榛東村上野原1-1
◆営業時間:10時〜17時(冬期 16時)
◆定休日 : 火曜(元旦・祝日の場合は営業)
https://chikyuya.co.jp/
