市内屈指の進学校 そろって県代表 高崎【2年連続4度目】 高崎女子【44年ぶり3度目】春高バレー、開催1カ月後に迫る 2025年12月05日号

旧高崎スズランの通りで撮影
  • URLをコピーしました!

高校バレーボール日本一を決める「全日本バレーボール高等学校選手権大会(以下、春高)」が、年明け早々(1月5日~11日)東京体育館で開かれる。本県代表として男子は高崎高校(以下、高高)、女子は高崎女子高校(以下、高女)という県内屈指の進学校がそろって出場。両校にチームの持ち味や大会にかける思いなどを聞いた。

目次

高崎女子高校

「夢だった」という春高出場を44年ぶりに手繰り寄せた高女

逆境を力に変える強さ

 春高出場をかけた対戦相手は、インターハイ予選と同じ高崎商科大学附属高校だった。「勝つことしか頭になかった」と、キャプテンの加藤瑞規さん(3年)と副キャプテンの深沢七美さん(同)。勝利を決定づけたのは「目の前の一点」に向き合う執念だった。
 その意識が強まったのは、準決勝での健大高崎戦。流れを失い最初のセットを落としたが立て直して逆転勝利。点差ではなく今この一点に全力を尽くす大切さを思い知った。また、限られた練習時間で集中力を強化。常に逆境を力に変えてきた。
 試合中の緊張を和ませる秘密兵器は「変顔」とユニークな一面も。硬い空気を感じ取ると、コート内で仲間に近寄りおどけた表情で雰囲気をほぐす。緊迫の空気すら味方につける強さと結束力こそ、最大の武器だ。

目標はベスト8

 戦いでの高女らしさは、ディフェンスで粘り続け、攻撃につなげる展開。「これがハマると一気に波に乗れる」と監督の石原裕基先生は自信をのぞかせる。
 対戦したいのは、インターハイの予選リーグで敗れた郡山女子大学附属高校(福島県代表)。「勝ち切れなかった弱さを全国の舞台で乗り越えたい」と力強く語る。高女が今大会にかける思いは特別だ。例年、多くの3年生はインターハイが終わると受験勉強へとシフトするが、今回は半数が在籍。春高が本当のラストマッチとなる。目標はベスト8。強みを磨き上げ、再び挑む準備を重ねる。
 同じ市内から出場する高高に「ともに一勝でも多く勝ち進みましょう」とエールを送る彼女たち。目の前の一球に込める思いは、必ず全国の舞台で鮮やかに花開くはずだ。

左から石原裕基監督、加藤瑞規さん、深沢七美さん

高崎高校

「守備力、攻撃力、判断力などすべてを一段階引き上げたい」と話す高高

チーム全員でつかんだ連覇

 インターハイ予選で敗れた因縁の相手・桐生商業と春高出場をかけた決勝戦で再び顔を合わせた。「絶対勝つと心に決めていた」という新井智憲キャプテン(3年)。1セット目早々、相手のエースが思うように攻撃できていない状況を見て、流れを引き寄せられると確信した。
 今回のチームを「エースを中心にしながらも、全員が役割を果たし支え合う総合力の高いチーム」と称するのは監督の砂川智哉先生。メンバーでただ一人の3年生であるキャプテン、力のある下級生、情報を収集して状況を的確に判断するアナリストが一丸となり、全員でつなぐバレーを磨いてきた。「チームになる」という意識が、3対0という圧巻のスコアを叩き出した。負けて終わった夏、その悔しさが彼らの冬を輝きに変えた。

連続出場の経験を生かす

 47年ぶりの出場となった前回に続く出場は、高高の大きな強み。4人の経験者の1人である新井キャプテンは「春高は他のどの大会とも違う」という。追い立てられるようにコートに送り出され、心を落ち着ける時間もなくホイッスルが鳴り響く。観客の大声援で、自分たちの声すら仲間に届かない。独特の空気に飲まれず、泥臭くつないで確実に1勝を挙げることが目標。「コンビバレーによる多彩な攻撃を全国でも出せれば」と砂川監督は確かな手応えを語る。
 「応援してくださる皆さんに恩返しのプレーをしたい」と新井キャプテン。高女メンバーへ「似通った条件下で戦い合う同志。お互い目標達成できるよう頑張ろう」と呼び掛ける。
 いざ春高へ。群馬の冬を熱くする戦いは1か月後に幕を開ける。

左から砂川智哉監督、新井智憲さん

■取材協力
高崎女子高校 ☎027・362・2585
高崎高校 ☎027・324・0074

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次