たかさき美味めぐり Vol.48 「ニギロー」

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心が帰る場所の味

ニギローセット(630円)と自家製高菜(330円)、二刀流のしゃけ明太子(430円)

 ひと口かじった瞬間、子どものころ、母親が台所で握ってくれたおにぎりの記憶がよみがえった。ふっくらと温かく、ただお腹を満たすだけではなく、どこか心に優しくしみる味である。「ニギロー」は、「地元に愛されるおにぎり」を目指して店を開いている。

 おにぎりの種類は14種類ほど。今回選んだのは、2つの具を選べる「二刀流」の中からしゃけと明太子。定番の組み合わせだが、口に入れるとそれぞれの旨みが重なり、飽きのこない味わいになる。

 もう一つは自家製高菜。シャキッとした歯応えを残しながら胡麻油で軽く炒めてあり、白いご飯との相性は抜群である。

 主役である米は、艶があり粒が立っている。店では毎朝10時に、特大の羽釜に18合の米をかけ、木の重いふたをのせて炊き上げるという。大量に炊くことで旨みが引き出され、蒸気を逃さぬことでふっくらした食感が生まれる。「お米は国産コシヒカリ。いまは新米なので特に美味しい時期です」と店長の新井道夫さんは話す。

 海苔はしっかりとした繊維を感じる有明産。香りが高く、食べ進めるほどに旨みが増していく。おにぎりは型を使いながらも、最後は手で仕上げる。「美味しくなーれと願いながらね」と店長は笑う。その一言に、この店のおにぎりの“あたたかさ”の理由が見える。

 おにぎりと合わせて味わいたいのが「ニギローセット」。唐揚げ、厚焼き玉子、そして具材がたっぷり入った豚汁とお新香が付く。豚汁にはゴボウ、ニンジン、ダイコン、豚肉がしっかり入り、出汁の香りとともに体の芯から温まる。食べ終えた頃には、お腹も心も満ちていた。さあ、今日もがんばるぞ。

仕上げのひと握りが美味しさの秘密
新井店長(真ん中)とスタッフさん

ニギロー
住所/高崎市末広町33の1 LALAPARK SUEHIRO E-1
電話/027・386・3133
営業/11時~15時
休日/不定休

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