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タイ料理とフレンチの出会い

こんなに垢ぬけたタイ料理は初めてだ。フレンチで研鑽を積んだ佐野飛多希シェフが腕をふるう。2023年の開店から約2年半、この9月からランチ、ディナーともにお任せコースのみで勝負することを決めた。
ランチコースをいただいた。季節の食材を使った前菜2品に続き、生春巻きが登場。鴨とビーツを使い、お皿の上はアートそのもの。噛みしめるとタイの軽やかさとフレンチの奥行きが重なり合い、思わず笑みがこぼれる味わいだ。
続いて「当店の顔なんです」という「トムヤムのパイ包み焼き」。パイを砕けばサクッと音を立て、湯気とともに香り高いトムヤムが広がる。辛さは控えめで、素材の旨みがくっきり浮かび上がる。
メインに選んだのは一番人気のガパオライス。セルクルで抜かれた姿はデコレーションケーキのよう。豚と鶏の合い挽き肉は絶妙な脂加減で、赤黄のパプリカが彩りを添える。岩田養鶏場の黄味の濃い半熟卵がとろりとのり、香ばしい風味は隠し味の醤油の力だった。食べ進めるたびに食感と香りが変わり、最後の一口まで飽きさせない。
ホール担当はシェフの兄で、同店支配人の雅伸さん。きりりとしたサービスが空間を引き締め、店全体の完成度をさらに高めている。
ランチでこれだけ楽しませてくれたのだから、ディナーもぜひ味わいたい。10品7000円~のコースにタイビール「シンハー」の生が並ぶ夜、この店はさらに輝くだろう。


Laithai(ライタイ)
住所/高崎市東町28 コーポラス高崎101号
電話/027・388・0250
営業/12時~14時、18時~22時
休日/月、火曜