高崎の夏の風物詩、榛名湖花火大会は8月1日20時から開かれる。湖上のモーターボートから投げ込まれる水中花火と、打ち上げ花火の共演が見どころだ。湖面に映る光と、山にこだまする音が一体となり、臨場感たっぷり。標高1000m超える清涼感の中、個性的な花火を楽しもう。
水中花火の原点
「高崎市内で最も歴史のある花火大会です」と高崎市榛名支所産業観光課の坂本雅洋さん。昭和30年代に始まり、約70年続く榛名湖花火大会。
最大の特徴は、水中花火だろう。モーターボートに積んだ尺玉を湖面から投げ込み、水中で開花させる。大きいもので7号。
湖面に半球状の光が広がり、水に映る景色は実に幻想的だ。
「子ども心に、父が菊屋小幡花火店(箕郷町)の先代と一緒に、安全で美しい水中花火の実現を模索していたのを覚えています」と、榛名湖漁業組合長の野口正博さん。
導火線の長さや点火のタイミングを工夫し、湖ならではの演出を確立したという。
モーターボートは湖上を4周しながら、観客に近い場所で花火を開花させる。以前は地元住民が操縦していたが、夜の暗さや霧に覆われた時の安全性を考慮し、現在は訓練を受けた専門の操作者が、決められたルートを正確に走行している。

音と光の迫力
湖上には打ち上げ用の台が設けられ、そこからも花火が打ち上がる。観覧場所との距離が近く、真上に花火が開くような迫力がある。
野口さんは「観客と花火の距離が非常に近く、臨場感は他の大会とは桁違いです」と胸を張る。
榛名湖を囲む外輪山が音響効果を高め、山に反響した破裂音が腹に響く。「ドーン、ドーンという音が直接、体に伝わってきます」と坂本さん。
近年はレーザー光線の演出も導入された。売店の建物から榛名富士に向けて光を照射し、夜空を照らす。レーザーと花火、2つの光の競演はあっと息を飲むほど。
涼しい高原で観覧
榛名湖は標高1084mの高地にある。約1540mの長野県・女神湖で行われる「白樺高原花火大会」に次ぐ、日本有数の高地花火大会だ。真夏でも気温は低く、観覧しやすい。
打ち上げ数は約1500発。大会規模としてはそれほど大きくないが、水中花火や音響効果、湖上の打ち上げなど独自の工夫に根強いファンは多い。
大会当日は湖の南西にある売店街が歩行者天国となり、屋台も出店。多目的グラウンドが臨時駐車場となり、約600台分を確保している。駐車場からはシャトルバスが会場まで運行される。

◆榛名湖花火大会
日時:8月1日(金) 20時~21時
会場:榛名湖畔
主催:榛名の祭り実行委員会事務局
(榛名観光協会内)
℡ 027-374-5111
※荒天時は8月8日(金)に順延