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旧群馬町エリアを巡る 希少な北寝保窪古墳群

旧群馬町に残る古墳巡りを続けている。前回紹介した足門町のお春名古墳から南東に向かって約2キロ、車で5分ほど離れた場所へ移動する。訪問先は北寝保窪古墳群。県道足門前橋線沿いにある棟高郵便局が目印となる。その裏手一帯に古墳群が分布している。いずれも7世紀頃に築かれた円墳である。と言っても、現存しているのはわずかに2基のみ。かつては6基以上の古墳が存在していたというが、その一部は発掘調査後の土地開発や住宅建設などによって削平されており、徐々に数が失われていった。
まずは現存する2基のうちの一つ、北寝保窪B号墳から見学する。周辺はアパートの多い住宅地。墳丘に背の高い木がまばらに生えたB号墳のすぐ北側と西側には、2階建てのアパートが間近に建っている。調査によると、墳丘の北側半分は消失しているが、大きさは直径20メートルと推定。葺石と周堀が確認され、土師器片や須恵器片も出土している。少し前まではB号墳に隣合うように同等の規模のC号墳も存在していた。現在その場所には住宅が建っており、すでに古墳の姿は失われている。
現存するもう一つの古墳はB号墳の数百メートル東側に位置する。その名も北寝保窪古墳。この古墳群の代表的な存在と言える。B号墳よりも大きな円墳で民家の敷地内にある。そのため道路側から少し離れて見学した。ゆったりとした円墳らしい形状をうかがい知ることができた。
いずれの古墳もその土地の所有者の意向次第で、いつ消滅してしまっても仕方のない儚い宿命を背負っている。形ある今のうちに訪問してみるといいだろう。
◎所在地
高崎市棟高町953の3、961の2付近
◎取材協力
高崎市教育委員会 事務局 文化財保護課