Made in Japanをもっと楽しもう　2024年11月01日号

2024年11月1日2024年11月12日

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セレクトショップ「KEUNA」高崎店10月11日オープン
世界中から高い評価を得ている“日本の物づくり”。品質、デザインともに秀逸なこだわりのメーカーが数多く存在するが、残念ながら知名度は低い。「Made in Japanをもっと楽しもう。身に着けよう」。そんなコンセプトのセレクトショップ「KEUNA」高崎店が10月11日にオープンした。店長の薄井輝彦さんに話を聞いた。

細部にまで生きる匠の技

まるでMade in Japanのアミューズメントパークのようだ。広い店内には洋服、バッグ、靴、小物など、約100社の日本メーカーのこだわり抜かれた商品が並ぶ。

「この傘、宮内庁御用達なんですよ」。店長さんがまず見せてくれたのはビニール傘。見るからに上質で、骨組みもしっかりとしている。江戸時代創業の雨具専門メーカーでビニール傘のパイオニア「ホワイトローズ」と靴の老舗「マドラス」がコラボした品格、耐久性、機能を持った傘だ。

「強風が吹いても傘がひっくり返らないよう“逆支弁”という製法で、ビニール部分に切れ込みを入れています。細かいところにまで工夫があるのです」と説明する。

ネクタイコーナーには、クスカファブリックのネクタイが並ぶ。京都の職人が1本1本手織りする、生地の質感と色のグラデーションはまるでアートのよう。「手間ひまがかかるので、1日2本しか織れません」。さぞかし値段が高いのでは、と値札を見たところ、1万円強から。なんというコストパフォーマンスの良さだろう。

和歌山県の「丸和ニット」はヨーロッパのハイブランドに生地を提供している丸編地のメーカー。その高品質な生地を使用して、自社ブランド「bebrain（ビブレイン）」を立ち上げた。KEUNAではbebrainのジャケットやパンツ、スカート、ワンピースなども扱っている。「しわになりにくくてしなやか。着ていることを忘れるような軽量感も魅力です」と、圧倒的な着心地の良さを説明する。

カシミアニットやデニムのオーダーメイドも

KEUNAは藤井繊維（高崎市問屋町、藤井琢磨代表）が立ち上げたセレクトショップ。2023年2月、新潟県に1号店を出店し、高崎店は2号店にあたる。

KEUNAとは「稀有な」から名付けた。「バイヤーが日本各地を飛び回り、数100メーカーを視察。品質やデザイン、価格、そしてストーリー性などを考慮して、選び抜いた商品を置いています」と店長さん。

既製品の販売だけでなく、世界でたった一つのオーダーメイドを承るコーナーを設置している。スーツや靴はもちろんのこと、カシミアニットやデニム、傘、バッグ、ベルト、財布、シャツのオーダーメイドまである。

「採寸やデザインの打合せは、当店で行い、縫製や製造は専門メーカーが担当するという形です。納期はおよそ1カ月」スーツは糸の調達から手掛ける世界で唯一のスーツメーカー、名古屋の「御幸毛織」、カシミアニットは1992年に東京・青山で創業した高級カシミヤニット専門ブランド「UTO」、デニムは世界的なデニムの聖地、岡山・児島のメーカー「ベティースミス」が作る。

「良いものを長く使いたい、という方には、KEUNAの商品は必ずや気に入っていただけるはず」と店長さん。使用していくなかで壊れたり、破れたりした際は、修理も承る。売りっぱなしにはしない。日本の物づくりの実力を知る最高の舞台。興味がある人はぜひ足を運んではいかがだろう。