環境に優しく 人と人をつなぐ「給水スポット」を活用しよう 2024年07月19日号

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 暑くなりそうな今年の夏。持参したお茶や水を飲み切ってしまった、そんなとき、あなたならどうする? スーパーやコンビニでペットボトル入りの水分を調達する? 自宅までガマンする? そんなことをしなくても、持参したボトルに無料で水を入れてもらえ、人と人のつながりも生まれる場所がある。それが、Refillぐんまが推奨する「給水スポット」だ。目的や利用法を聞いた。

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県内50カ所が登録

 昼下がり、親子連れでにぎわうエコラボカフェ(高崎市上並榎町)。カウンター近くにあるドリンクサーバーから、子ども用のマグに水を注ぐママたちの姿が見られる。「当店は、セルフサービスで誰でもマイボトルに水を入れられるようにしています」と話すのは、店長の金井真奈美さん。ランチタイムは、キッズスペースを常設した店内で食事を楽しみ、マグやマイボトルに水を入れて午後のもうひと遊びにそなえる親子が多いという。

 同店は、Refillぐんまが進める「給水スポット」の最初の登録店。給水スポットは、外出先でのどが渇いたときに誰でも気軽に水を飲むことができたり、マイボトルが空になったときに無料で水を補充できたりする場所を指す。県内にあるスポットは、公共施設以外でおよそ50カ所。店舗や企業が登録をしているという。

プラごみ削減につながる

 この活動を推進しているRefillぐんまは、使い捨て容器を減らして、給水スポットを広げようというRefill Japanを母体とした団体。メンバーは、群馬県が行う環境に関するボランティア活動に携わる環境アドバイザーをはじめ、環境に関心の高い経営者や大学関係者など正会員15名の他サポーターが30名。立ち上げに携わった環境アドバイザーの奈賀由香子さんは「環境問題を学ぶ中で、県内のプラスチックごみを少しでも減らしたいと活動を始めました」と話す。

 日本で生産されるペットボトルは、年間227億本(※)。その9割がリサイクルされているという。9割という数字で安心するのは安易だ。ごみとして扱われるのは1割だが、本数にすると22億本。仮にリサイクルが進んだとしても、ペットボトルの原料は石油だ。同団体の代表・栗原史恵さんは「輸送費、リサイクルの際の手間もかかります。プラスチック製品自体を減らさないと意味はありません」と表情を引き締める。質の高い水道水が供給されている日本。水道水の利用で、プラスチックの消費を減らせるというわけだ。

※2017年統計(ペットボトルリサイクル推進協議会2018年度報告書)

みんなにうれしい取り組み

 給水スポットが増えると、外出先でのどを潤すことができるし、マイボトルが空になっても不安に思う必要はない。環境にもお財布にもやさしい。水を介して人と人との笑顔のつながりも生まれ、過ごしやすい社会の実現にもつながる。利用の仕方は簡単。右のステッカーのある店舗や会社にマイボトルを持参し、給水をお願いするだけだ。

 同団体では、飲食店のテイクアウトフードやドリンク、量り売りの商品を購入する際、マイ容器を持参する「マイ容器スポット」の取り組みも広げている。前出のエコラボカフェは、両スポットに登録。「導入して大変なことは何もありません。利用して喜んでいただけるし、マイ容器での持ち帰りが自然なことになっているし、良いこと尽くめ」と金井店長は笑顔を見せる。

 現在、両登録店も募集中。栗原代表は「環境負荷を減らし、お店の姿勢をPRするきっかけにもなります。ぜひ登録を」と呼び掛けている。

Refillぐんま

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