すごいゾ!古墳 第86回 前山古墳

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井野川左岸の下滝古墳群を巡る 出土品が豪華な前山古墳

前山古墳

 高崎市の東方を流れる井野川。その左岸の台地上に下滝古墳群が分布している。今回訪問した下滝町の前山古墳もその一つ。慈眼寺の参道の東側にひっそりと佇んでいる。慈眼寺と言えばその歴史は深く、しだれ桜の名所としても知られている。春になると境内に咲き誇る見事な景色を一目見ようと多くの花見客が訪れるが、古墳の存在に気づく人はそう多くはないだろう。

 前山古墳の全長は推定約60メートル。6世紀後半以降の築造とされ、北西側に後円部、南東側に前方部を配置した2段築成の前方後円墳である。しかしながら道路などの整備によって墳丘が大きく削平され、ほぼ原形をとどめていない。特に前方部の損壊が著しく、現状では全長47メートル、高さ4・3メートルと計測されている。また墳丘からは葺石の存在が認められ、埴輪列の一部も確認されている。

 昭和41年に発掘調査が行われており、後円部から両袖型の横穴式石室が発見された。西に向かって開口する埋葬施設は珍しい。一方で、竪穴式系の埋葬施設を持つ前方後円墳の墳丘を再利用して、後世に横穴式石室を付加したのではないか。という仮説も存在するが、まだ真相解明には至っていない。古い文献によると玄室、前室、羨道の3カ所から人骨が発見されており、複数の追葬があったと考えられている。

 興味深いのは前山古墳から大量の副葬品が出土している点だ。その内容は、耳環、空玉、棗玉、大刀、小刀、刀子、鉄鏃、馬具、須恵器など豪華なラインナップ。特に馬具類の数の多さが目立ち、追葬との関わりが注目されている。これらは全て東京国立博物館にて収蔵されている。

◎所在地
 高崎市下滝町境内26の1
◎取材協力
 高崎市教育委員会
 事務局 文化財保護課

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