たかさき美味めぐり Vol.39 「平井精肉店」

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90年続く手作りメンチ

昭和11年生まれのメンチ(1個138円、税別)
黄色みがかった生パン粉を付けて

 粗目の生パン粉を使った衣をかじると、カリっと大きな音がする。次の瞬間、口の中に肉汁がジュワ―っとあふれ出す。肉にしっかり下味がついているので、ソースは不要だ。

 オランダコロッケで有名な平井精肉店が1936年の創業当時から販売している手作りメンチ。来年90歳というこの揚物、「一度食べたら病みつきになっちゃって」という根強いファンが多い。

 材料は牛肉と豚肉と玉ネギのみ。つなぎは無い。「余分なものでかさ増しはしませんよ」と三代目、平井浩明さんは肉屋の矜持を示す。

 牛と豚の割合は1対1で、旨味を引き出すため、前日、肉を挽いて味をなじませておく。注文を受けたら衣を付け、サラダ油でカラッと揚げる。

 「時代の流れとともに味付けは少しずつ変えていますが、原材料と作り方は90年間まったく一緒」。ある意味、歴史遺産だ。

 こちらのお店、チャーシューも旨い。豚一頭から900g前後しかとれないシキンボという希少部位を使う。サシの状態に脂が入っていて、とにかく柔らかくて滑らか。歯の悪い人でも食べられる。

 豚肉と玉ネギのみで作るシューマイも捨てがたい。

 お店に立ち寄ると山のように買い物してしまう。こんな肉屋のある高崎市民は幸せだ。

平井精肉店
住所/高崎市大橋町7の18
電話/027・322・3625
営業/10時~19時
休日/日曜・祝日

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