吉岡町に昨年4月、オープンしたジョイフル本田の超大型エンターテインメントパーク「ジョイホンパーク吉岡」。その中にある「犬猫タウン吉岡 にゃんこシェルター」は、ホームセンター内に常設された保護猫譲渡施設という今までにない画期的な形態だ。同施設を運営する一般財団法人 犬猫生活福祉財団(本社/東京都新宿区)の事務局長、福田敬土さんに1年間の成果や今後の課題などを聞いた。
画期的な取り組み
ホームセンター内にある常設の保護猫譲渡施設
「犬猫タウン吉岡 にゃんこシェルター」の特徴を教えてください。
福田 ホームセンター内にあること、保護猫の譲渡施設であること、常設であること、この3点を満たすのは、ほかにないと思います。広さは、およそ12畳。猫が好む高低差をつけたキャットステップや一匹でゆっくりできる場所を設置したり、爪とぎができる箇所を作ったりと、スタッフが知恵を出し合い、ジョイホンパーク吉岡や猫グッズを手掛ける会社などの協力を得ながら猫が好む空間としました。最大9頭、収容できます。
シェルターにいる保護猫は?
福田 保健所や動物愛護センターから引き出した猫たちです。成猫やシニア猫、人馴れしていなかったり、ケガを負っていたりと、ほかでは引き出しが進みづらい猫を中心に引き出しています。収容できる頭数に限りがある関係上、不公平にならないよう、一般の方からのお預かりはしていません。
シェルターに来た当時のまろくんと、現在のまろくん。同じ猫とは思えない変貌ぶり。
1年間の譲渡数は?
福田 29頭が家族として迎えていただきました。ホームセンター内にあることで、今まで関心の薄かった方にも保護猫の存在を知っていただいたり、新しい家族を考える際に保護猫という選択肢を広げていただいたりするきっかけにもなりました。また、常設の施設にしたことで猫たちの普段の様子や本来の性格が伝わりやすく、ミスマッチを防ぐ一因にもなっていると感じています。
どんな方が里親さんに?
福田 9割が県内、吉岡町や前橋市など近隣にお住まいの方が多いですね。そのうち7~8割はファミリー。当施設は、単身世帯、同棲カップル、60歳以上でも譲渡可能ですが、猫の幸せを最優先に考え、単身者は保証人を要したり、カップルは万が一の場合に引き取る方を決めていただいたり、高齢の方には猫の年齢や特性を考慮したりしています。
猫、里親、企業 みんなにうれしい取り組み
ホームセンター内に常設して良かった点は?
福田 ジョイホンパークのメインレジにチラシを置いて周知に協力していただいたり、パークスタッフがお客さまをシェルターまで案内してくださったり、協力がとても有難いですね。ジョイホンパーク吉岡さんからは「シェルターから保護猫を迎えた方が、引き続きペット用品を購入してくださっている」とか「保護猫の譲渡は良い活動、とお客さまから好意的な意見が寄せられ企業のイメージアップにもつながった」という声をいただきました。双方にとって、意義のある取り組みだと実感しました。ここで培ったノウハウをさらに広められるといいと思います。
課題と展望は?
福田 まだまだ周知が足りていないと感じています。専門の知識や技術を持ったスタッフが頑張っていますので、さらに強化したいですね。今後は、高齢の里親さんでも猫を迎えられたり、高齢の猫とご家族をつなげられたりという仕組みを考案中。さまざまなアイデアや取り組みで、動物愛護や動物福祉の進展に貢献したいと思っています。
■取材協力一般財団法人 犬猫生活福祉財団
北群馬郡吉岡町大久保364の1ジョイホンパーク吉岡
ジョイホン吉岡店「Ways of Lifeゾーン」ペット用品エリア内
問合せ:メールフォームから
https://inuneko-fukushi.or.jp/contact/
・見学は譲渡希望者のみ(予約制)
営業時間
平 日 12時~16時
土日祝 11時~16時